胃がん

胃がん
監修者 根本 陽介

監修者
根本 陽介

資格

胃がんと向き合う:最新の疫学データから「切らずに治す」内視鏡治療の最前線まで

「胃がん」という言葉には、今なお、重い響きがあります。

しかし、消化器疾患の診療現場にいる私たちから見れば、胃がんは「正しく知って、正しく備えれば、決して怖くない病気」へと姿を変えています。

なぜ日本人に多いのか、ステージごとに何が違うのか、そして最新の「内視鏡治療」がどのように患者様の人生を守るのか。統計的なエビデンスと、患者様目線の不安解消を軸に、詳しく解説していきます。

統計が示す「胃がん大国・日本」の現在地

日本の国立がん研究センターの最新データによれば、胃がんは日本人にとって最も身近ながんの一つです。

  • 罹患数(かかる人数): 年間で約12万人以上。男性では第3位、女性では第4位と常に上位に位置します。
  • 生涯罹患リスク: 日本人男性の9人に1人、女性の18人に1人が一生のうちに胃がんと診断されます。

数値だけ見るとショッキングですが、重要なのは「死亡数」が劇的に減っているという事実です。1970年代、胃がんは日本人の死因の圧倒的1位でした。しかし現在、検診の普及とピロリ菌除菌の一般化、そして内視鏡技術の向上により、「がんになっても死なない」時代が現実のものとなっています。

運命を左右する「ステージ(病期)」と生存率の壁

胃がんの治療において、最も重要な指標が「ステージ」です。

これは、がんが胃の壁のどの深さ(深達度)まで達し、周囲のリンパ節や他の臓器にどれだけ広がっているかを示します。

ステージ状態の目安5年生存率(目安)主な治療法
ステージⅠ早期胃がん。 粘膜層に留まり、転移なし。95%以上内視鏡治療(ESD)・外科手術
ステージⅡ胃の壁の深い層まで浸潤している。約70%外科手術 + 抗がん剤
ステージⅢリンパ節への転移が見られる。約40〜50%外科手術 + 抗がん剤
ステージⅣ他の臓器(肝臓・肺など)に転移。約10%前後抗がん剤(化学療法)・免疫療法

この表が物語る通り、「ステージⅠで見つけること」こそが、完治への絶対条件です。

早期発見できれば、胃がんはもはや「命を奪う病」ではありません。

患者様が最も気になる「自覚症状」の嘘と真実

「痛みがないから大丈夫」「食欲があるからがんではない」

診察室でよく伺う言葉ですが、残念ながらこれは誤解です。

実は、早期胃がんには自覚症状が全くと言っていいほどありません。

胃痛や胸焼けを感じて受診し、がんが見つかるケースもありますが、その痛みの原因は「同時に起きていた胃炎や胃潰瘍」であることがほとんどです。

がんそのものが痛みを発するのは、ある程度進行して神経に触れたり、通り道を塞いだりしてからです。

さらに最近では、ピロリ菌がいない「綺麗な胃」から発生する胃底腺型胃がんという新しいタイプも報告されています。

これらは従来の検診では見逃されやすく、専門医による精密な内視鏡検査でしか捉えることができません。

革新的治療「ESD(内視鏡的粘膜下層剥離術)」の凄さ

もし早期胃がんが見つかった場合、現在の医療が提供できる最高の選択肢が内視鏡治療(ESD)です。

これは、全身麻酔で腹部を切り開く外科手術とは異なり、胃カメラの先から出した電気メスで、胃の内側からがんを「削ぎ取る」治療です。

Merit
内視鏡で治すことの「3つの決定的メリット」
  • 胃を100%残せる: 外科手術で胃を切り取ると、食後のめまい(ダンピング症候群)や急激な体重減少、貧血などの後遺症に一生悩まされることがあります。内視鏡治療なら、術後も以前と全く同じ食生活が送れます。
  • 身体的負担が極めて軽い: 皮膚に傷がつかないため、痛みも少なく、ご高齢の方や持病のある方でも治療が可能です。入院期間も1週間程度と短いことが多く、社会復帰もスムーズです。
  • 確実な根治性: 早期がんであれば、内視鏡で一括切除することで、外科手術と同等の高い根治(治りきること)が期待できます。

「検査の苦痛」という最後にして最大のハードル

早期発見が大事だと分かっていても、「胃カメラは苦しいからやりたくない」という心理的な壁が、多くの人の完治のチャンスを奪っています。

しかし、現代の内視鏡検査は「苦しくない」ための工夫が尽くされています。

  • 鎮静剤の使用: うとうとと眠っている間に検査を終えることができます。
  • 経鼻内視鏡: 鼻から入れる細いカメラなら、舌の根元に触れないため、嘔吐反射(オエッとなる感じ)を大幅に軽減できます。
  • 最新の画像強調技術: NBI(狭帯域光観察)などの特殊な光を用いることで、従来は見逃されていた微細ながんを、わずか数分の観察で浮き上がらせることが可能です。

結びに:10年後のあなたを守るために

「自分だけは大丈夫」という根拠のない自信よりも、1回の内視鏡検査という「確実な証拠」が、あなたの人生を支えます。

胃がんは、早期に見つけさえすれば、胃を失うことも、命を落とすこともない病気になりました。

5年後、10年後も、大切な家族と笑顔で食卓を囲み、美味しいものを美味しく食べられる喜びを守るために。

少しでも胃に違和感がある方、あるいは前回の検査から時間が空いてしまった方は、ぜひ一度当院へご相談ください。最新の技術と、患者様の不安に寄り添う心で、あなたの健康を全力でサポートいたします。

大圃クリニックの

胃内視鏡検査(胃カメラ)

大圃クリニックの胃内視鏡検査(胃カメラ)

地域に寄り添い、79年。

専門医複数名在籍

専門医複数名
在籍

下館駅から徒歩4分駐車場完備

下館駅から徒歩4分
駐車場完備

土曜日12:30まで診療

土曜日
12:30まで診療

  • 日本消化器外科学会 認定医,日本外科学会 認定医,日本医師会 認定産業医,日本医師会 認定健康スポーツ医 大圃 弘

茨城県筑西市にある大圃クリニックは内視鏡検査20年以上で内科認定医・内視鏡専門医在籍。鎮静剤使用で眠っている間に終わるつらくない内視鏡検査を実施しております。

経鼻・経口両方の検査が可能で検査後すぐに帰宅、運転可能。下館駅北口から徒歩4分で駐車場15台完備。土曜日にも検査可能です。

0296-21-0123 [午前]9:30~12:30[午後]14:30~18:00 [休診日]木曜、土曜午後、日曜、祝日
記事の執筆・監修者プロフィール
大圃クリニック

医師

根本 陽介

高校生まで茨城県で育ち、県内の病院で内視鏡検査を中心に診療を行ってきました。
現在は消化器分野の診療を担当しています。 胃や大腸の症状をはじめ、幅広い消化器のお悩みに対応し、毎日内視鏡検査を行っております。

「少し気になる」「検査が不安」といった段階でも、安心して相談していただけるよう、丁寧でわかりやすい説明を心がけています。
地域の皆さまにとって、身近で頼れる存在を目指しています。

資格