ピロリ菌感染

ピロリ菌感染
監修者 根本 陽介

監修者
根本 陽介

資格

胃の中に住む「招かざる客」ピロリ菌:知っておきたい感染のリスクと除菌の真実

「ピロリ菌がいるかもしれないと言われたけれど、自覚症状はまったくない」

「除菌治療って、副作用が怖いのでは?」

検診の結果を手に、そんな不安を抱えて当院を受診される方は少なくありません。

ピロリ菌は、私たちの胃の中に住み着き、長年にわたって悪影響を及ぼす「招かざる客」です。

今回は、ピロリ菌の正体から、なぜ除菌が必要なのか、そして実際の治療の流れまで、患者様目線で詳しく解説します。

そもそも「ピロリ菌」とは何者なのか?

ピロリ菌は、胃の強い酸(胃酸)の中でも生き残ることができる、特殊な能力を持った細菌です。

通常、細菌は胃酸によって殺菌されますが、ピロリ菌は自らアルカリ性の物質(アンモニア)を作り出し、酸を中和することで胃の中に住み着きます。

どこから感染するのか?

主な感染経路は、「飲み水」や「食べ物」を介した経口感染です。

現代の日本では上下水道が整備されているため、新たに感染することは稀ですが、幼少期(5歳以下)の免疫が不十分な時期に、井戸水や家族からの口移しなどで感染すると考えられています。

一度感染すると、除菌しない限り、一生胃の中に住み続け、慢性的な炎症を引き起こします。

なぜ「症状がないのに」除菌しなければならないのか

ピロリ菌に感染していても、多くの人は痛みがありません。しかし、胃の中では確実に変化が起きています。

胃がんの最大原因はピロリ菌

国立がん研究センターなどの調査によれば、胃がんの約95%以上にピロリ菌が関与しているとされています。

ピロリ菌が住み着くと、胃の粘膜が慢性的に炎症を起こし(慢性胃炎)、徐々に粘膜が薄くなる萎縮性胃炎へと進行します。

この萎縮した粘膜こそが、胃がんの発生母地(土壌)となってしまうのです。

他にもある「ピロリ菌の仕業」

胃がんだけでなく、胃潰瘍や十二指腸潰瘍、胃のポリープ、さらには胃とは関係のない「特発性血小板減少性紫斑病」などの血液疾患の原因になることも分かっています。

ピロリ菌の検査:痛みはありません

「検査が痛そう、苦しそう」と心配される方も多いですが、ピロリ菌の有無を調べる方法は非常に手軽です。

  • 尿素呼気試験: 検査用の薬を飲み、吐き出した息(呼気)を採取して検査します。
  • 血液・尿検査: ピロリ菌に対する抗体があるかを調べます。
  • 便検査: 便の中に菌の抗原があるかを調べます。
  • 組織検査:胃カメラを行い胃袋の組織をつまんで顕微鏡の検査に出します。

ただし、保険適用で除菌治療を行うためには、内視鏡検査(胃カメラ)で「胃炎があること」を確認する必要があります。

これは、菌がいるかどうかだけでなく、「今すでに胃がんが隠れていないか」を直接確認するための、非常に重要なステップです。

除菌治療の実際:一週間、お薬を飲むだけです

除菌治療は、入院の必要はありません。ご自宅で1日2回、7日間お薬を服用していただきます。

除菌成功率は?

1回目の治療(一次除菌)で約80〜90%の方が成功します。もし失敗しても、お薬の種類を変えた2回目の治療(二次除菌)を含めれば、98%以上の方が除菌に成功します。

副作用はある?

多くの方は問題なく飲み切れますが、一時的に軟便や下痢、味覚異常、発疹が出ることがあります。自己判断で中止すると菌が耐性を持ってしまうため、気になる症状があればすぐに医師へ相談することが大切です。

【重要】除菌に成功した=「卒業」ではありません

ここが最も重要なポイントです。「除菌が終わったから、もう胃がんにならない」わけではありません。

除菌によって胃がんになるリスクを約3分の1から半分程度に減らすことはできますが、リスクがゼロになるわけではありません。特に、長年ピロリ菌を飼っていた方は、粘膜に「老化(萎縮)」という傷跡が残っているため、除菌後数年〜数十年経ってからがんが見つかるケースもあります。

除菌成功後も、年に一度の定期的な胃カメラ検査を継続すること。これが、本当の意味での「安心」を手に入れるための唯一の方法です。

結びに:次世代へ感染を広げないために

ピロリ菌の除菌は、自分自身の健康を守るだけでなく、お子様やお孫様への「家庭内感染」を防ぐことにもつながります。

「特に痛くないから」「忙しいから」と先延ばしにせず、一度ご自身の胃の状態をチェックしてみませんか?

当院では、苦痛の少ない内視鏡検査と、丁寧な除菌サポートを行っております。是非お気軽にご相談ください。

大圃クリニックの

消化器内科(胃腸科)

大圃クリニックの消化器内科(胃腸科)

地域に寄り添い、79年。

専門医複数名在籍

専門医複数名
在籍

下館駅から徒歩4分駐車場完備

下館駅から徒歩4分
駐車場完備

土曜日12:30まで診療

土曜日
12:30まで診療

  • 日本消化器外科学会 認定医,日本外科学会 認定医,日本医師会 認定産業医,日本医師会 認定健康スポーツ医 大圃 弘

茨城県筑西市にある大圃クリニックは、内科認定医・内視鏡専門医在籍。お腹の痛みが胃や腸に関連していると思われる場合や、内視鏡検査をご検討の方はお気軽にご相談ください。

下館駅北口から徒歩4分で駐車場15台完備。土曜日診療可能。

患者さんの症状に応じてX線検査、腹部超音波検査、内視鏡検査など適切な検査と最適な治療を提供しております。

0296-21-0123 [午前]9:30~12:30[午後]14:30~18:00 [休診日]木曜、土曜午後、日曜、祝日
記事の執筆・監修者プロフィール
大圃クリニック

医師

根本 陽介

高校生まで茨城県で育ち、県内の病院で内視鏡検査を中心に診療を行ってきました。
現在は消化器分野の診療を担当しています。 胃や大腸の症状をはじめ、幅広い消化器のお悩みに対応し、毎日内視鏡検査を行っております。

「少し気になる」「検査が不安」といった段階でも、安心して相談していただけるよう、丁寧でわかりやすい説明を心がけています。
地域の皆さまにとって、身近で頼れる存在を目指しています。

資格