十二指腸潰瘍

十二指腸潰瘍
監修者 根本 陽介

監修者
根本 陽介

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十二指腸潰瘍とはどのような病気か

胃の出口(幽門)から続く、長さ約25〜30cmほどの消化管を「十二指腸」と呼びます。

ここは、胃から送られてきた強い酸性の消化物と、膵臓・胆のうから出るアルカリ性の消化液が混ざり合う、非常にダイナミックな場所です。

通常、十二指腸の粘膜は「粘液」というバリアによって、強力な胃酸から守られています。

しかし、何らかの理由で胃酸の分泌が過剰になったり、粘膜の防御力が弱まったりすると、胃酸が十二指腸の壁を攻撃し、組織を深くえぐり取ってしまいます。これが「潰瘍」の状態です。

十二指腸は胃に比べて壁が薄いため、胃潰瘍よりも「出血」や「穿孔(壁に穴が開くこと)」が起こりやすいという特徴があります。

なぜ「空腹時」に痛むのか?

十二指腸潰瘍の最も特徴的な症状は、「空腹時痛」です。

  • 痛みのタイミング: 食後数時間が経過し、胃の中が空になった時にみぞおち付近がシクシク、あるいはキリキリと痛みます。特に、胃酸の分泌が高まる深夜から早朝にかけて痛みで目が覚めることが多いのが特徴です。
  • 食事による緩和: 何か食べ物を口にすると、胃酸が食べ物の消化に使われるため、一時的に痛みが和らぎます。これにより「食べれば治る」と勘違いしてしまい、受診が遅れる要因となります。
  • その他の症状: 胸焼け、膨満感、食欲不振のほか、潰瘍から出血している場合は、貧血(ふらつき)や、タール便(真っ黒な便)が見られることもあります。

現代における十二指腸潰瘍の「3大原因」(胃潰瘍と基本的に同じ)

かつては「ストレスによる酸の出しすぎ」が主な原因と考えられていましたが、現在は以下の3つが主要な原因として特定されています。

① ヘリコバクター・ピロリ菌の感染

十二指腸潰瘍患者の90%以上がピロリ菌に感染していると言われています。ピロリ菌が粘膜を傷つけることでバリア機能が低下し、胃酸の影響を直接受けやすくなります。

② 非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)の服用

近年、ピロリ菌由来の潰瘍が減る一方で急増しているのが、痛み止め(NSAIDs)による副作用です。

頭痛、腰痛、生理痛などで常用するロキソニンアスピリンなどは、胃粘膜を保護する物質(プロスタグランジン)の合成を妨げるため、潰瘍を引き起こす直接的な原因となります。

③ 生活習慣とストレス

喫煙は粘膜の血流を悪化させ、潰瘍の治癒を著しく遅らせます。

また、過度のストレスや過労、アルコールの過剰摂取は、自律神経を介して胃酸の分泌を促進し、症状を悪化させる誘因となります。

放置することの危険性(合併症について)

「ただの腹痛」として放置し、適切な治療を行わないと、以下のような深刻な合併症を引き起こす可能性があります。

  1. 出血(吐血・黒色便): 潰瘍が太い血管に達すると大量に出血します。意識消失やショック状態に陥る危険もあり、緊急の内視鏡処置が必要です。
  2. 穿孔(せんこう): 十二指腸の薄い壁を貫通して穴が開くことです。胃の内容物が腹腔内に漏れ出し、激痛を伴う急性腹膜炎を起こします。多くの場合、緊急手術が必要となります。
  3. 幽門狭窄(ゆうもんきょうさく): 潰瘍の再発を繰り返すことで傷跡が硬くなり、食べ物の通り道が狭くなります。頑固な嘔吐や食欲不振を招き、栄養障害の原因となります。

当院での検査と治療のアプローチ

十二指腸潰瘍は、正しく診断すれば、お薬で確実に治すことができる病気です。

確実な診断:内視鏡検査(胃カメラ)

症状だけでは胃炎や胃がんとの区別が難しいため、内視鏡検査を行います。

当院では、患者様の負担を軽減するため、鼻から入れる極細のカメラ(経鼻内視鏡)や、鎮静剤を用いて眠っている間に検査を行う手法を導入しています。

根本的な治療

  • 薬物療法: 胃酸の分泌を強力に抑える薬(PPIなど)を服用します。通常、数日の服用で痛みは消失しますが、完全に潰瘍を治す(瘢痕化させる)ためには数週間の継続が必要です。
  • ピロリ菌除菌: ピロリ菌に感染している場合は、一週間の薬の服用で除菌治療を行います。除菌に成功すれば、十二指腸潰瘍の再発率は劇的に低下します。

結びに

十二指腸潰瘍は、働き盛りの世代にとって非常に身近な疾患ですが、決して軽視してはいけない病気です。

空腹時の痛みや、夜間の不快感は、体が発している「休息とケア」のサインです。

当院では、患者様一人ひとりのライフスタイルやお薬の服用状況に寄り添い、苦痛の少ない検査と最適な治療を提供しております。

「これくらいの痛みなら大丈夫」と我慢せず、まずは一度、お気軽に当院へご相談ください。

大圃クリニックの

消化器内科(胃腸科)

大圃クリニックの消化器内科(胃腸科)

地域に寄り添い、79年。

専門医複数名在籍

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下館駅から徒歩4分駐車場完備

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土曜日12:30まで診療

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  • 日本消化器外科学会 認定医,日本外科学会 認定医,日本医師会 認定産業医,日本医師会 認定健康スポーツ医 大圃 弘

茨城県筑西市にある大圃クリニックは、内科認定医・内視鏡専門医在籍。お腹の痛みが胃や腸に関連していると思われる場合や、内視鏡検査をご検討の方はお気軽にご相談ください。

下館駅北口から徒歩4分で駐車場15台完備。土曜日診療可能。

患者さんの症状に応じてX線検査、腹部超音波検査、内視鏡検査など適切な検査と最適な治療を提供しております。

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記事の執筆・監修者プロフィール
大圃クリニック

医師

根本 陽介

高校生まで茨城県で育ち、県内の病院で内視鏡検査を中心に診療を行ってきました。
現在は消化器分野の診療を担当しています。 胃や大腸の症状をはじめ、幅広い消化器のお悩みに対応し、毎日内視鏡検査を行っております。

「少し気になる」「検査が不安」といった段階でも、安心して相談していただけるよう、丁寧でわかりやすい説明を心がけています。
地域の皆さまにとって、身近で頼れる存在を目指しています。

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