ワクチン接種はなぜ必要？

ワクチン接種は近年流行した新型コロナウイルスはもちろん、インフルエンザや風疹などにも広く使われています。ワクチン接種を行う主な理由は、以下の3点です。

• ウイルス感染率の低下
• 感染後の重症化リスク低減
• 他者への感染防止

ワクチン接種によってウイルスへの感染そのものを防ぐだけでなく、感染後の重症化を予防することが可能です。

また、ウイルスの量を減らすことで他者への感染防止も期待でき、多くの人がワクチンを接種すると病気が広がりにくくなるため、社会全体の安定化につながると考えられています。

ワクチンはどのような効果があるのか

ワクチンは病気への感染や重症化を抑える効果が期待できます。ワクチンはウイルスの情報を抽出し、無毒化したものです。体内に注入されたワクチンは異物とみなされます。

免疫システムによって処理され、その過程で免疫システムにより作られるのが抗体です。抗体は免疫細胞が病原体を記憶した証であり、同じ病原体が再度侵入してきた場合に免疫システムが迅速に稼働し、病原性を発揮する前に排除できます。

ワクチンによって免疫システムを疑似的に稼働させ、抗体として記憶させておくことで病原体の影響を最小限に抑えるのが、ワクチン接種の主な目的です。

副反応のリスクを把握しよう

ワクチン接種には以下のような副反応があります。

• 発熱
• 頭痛
• めまい
• 吐き気
• 悪寒

表れやすい副反応はワクチンの種類によっても異なりますが、ほとんどの副反応が接種から数日程度で治まります。

頭痛薬や解熱剤による副反応の軽減は有効ですが、副反応が強すぎたり接種から1週間以上にわたって長引いたりする場合は、早い段階で医師に相談することをおすすめします。

副反応とよく似ている言葉に副作用があります。副反応がワクチン接種によって引き起こされる健康上の問題を指すのに対し、副作用はワクチン以外の医薬品によって起きる有害事象です。したがって、ワクチンが原因で起こった症状は副反応と呼びます。

接種に注意が必要・接種が難しい人とは？

ワクチン接種に注意が必要な人は以下のとおりです。

• 副反応が表れやすい人
• 注射に弱い人
• アレルギーがある人

過去にワクチン接種で強い副反応が見られた人は、接種時に主治医に相談してください。

また、注射に慣れていない人は不安感や恐怖感から、貧血やめまいを起こす可能性があります。ただし、不安や恐怖からくる症状は安静にしていれば自然と治まるため、健康上の心配はありません。

さらに、一部のワクチンは鶏卵を原材料として生産されていますので、卵アレルギーを持つ人は注意が必要です。ワクチンそのものは安全に作られており、妊婦や子ども、高齢者でも接種が推奨されています。副反応やアレルギーを含め、不安点を専門医に相談したうえで正しくワクチンを接種し、病気から体を守りましょう。

病院へ行くことや医師の対応に不安がある場合は、事前に電話で相談したのちに来院することをおすすめします。女性の場合は女医が在籍する病院やクリニックを選ぶと、より安心して診察やワクチン接種が受けられるでしょう。