皮膚腫瘍とは

皮膚腫瘍は何らかの原因によって皮膚細胞が異常に増殖し、組織が隆起したり色素が濃くなったりした腫瘍です。皮膚腫瘍は大きく良性腫瘍と悪性腫瘍に分類されます。

良性の皮膚腫瘍の主な種類は以下のとおりです。

• ほくろ
• 粉瘤（アテローム）
• 脂肪腫

ほくろはメラニン色素の沈着によって形成され、基本的には良性です。ただし、一部の悪性腫瘍はほくろと見分けがつきにくいため、ほくろが急激に大きくなったり色が濃くなったりする場合は皮膚科の早期受診を検討しましょう。

また、粉瘤や脂肪腫は良性の腫瘍ですが自然治癒することはなく、外科手術以外には根治の可能性がありません。そのため、切除術による治療が行われるのが一般的です。

悪性腫瘍の主な種類は以下のとおりです。

• 悪性黒色腫（メラノーマ）
• 基底細胞癌
• 有棘細胞癌

悪性腫瘍を放置すると強い悪臭や痛みにつながりますので、早急に皮膚科を受診することが大切です。

腫瘍の良性と悪性の見分け方は？

皮膚腫瘍の良性・悪性を見極めるポイントは以下のとおりです。

• 表面の硬さ
• 表面の状態
• 臭いや色

基本的に、悪性腫瘍は腫瘍と周辺の組織がきつく癒着しているため、表面が硬くなります。また、癒着のため指で触れてもほとんど動きません。良性腫瘍の場合は表面が柔らかく、指で軽く押すと跳ね返るような弾力が感じられます。

出血や強い悪臭も悪性腫瘍の特徴です。悪性腫瘍の場合、表面が癒着や雑菌繁殖でジクジクとしており、さらに進行すると膿による悪臭や出血が見られます。特に出血はがん化のサインでもあるため要注意です。また、頭部の腫瘍の場合は抜け毛から発見につながるケースもあります。

ただし、悪性腫瘍と良性腫瘍を完全に見分けるのは不可能です。悪性腫瘍を良性腫瘍と思い込み長期間放置した結果、治療が困難になるケースも珍しくありません。見慣れない皮膚のしこりや痛みが見つかったら、早い段階で専門医に相談しましょう。

皮膚腫瘍の治療は痛い？

良性と悪性どちらの場合も、主な治療法として切除術が選択されます。良性腫瘍の粉瘤の場合、進行すると内部に膿が溜まり切除時に強い痛みを伴いますが、症状が軽いうちに治療することで痛みの軽減も可能です。

皮膚腫瘍を発見したら速やかに皮膚科を受診

皮膚腫瘍はがんや細菌感染のサインです。良性に見えたとしても進行するにつれて出血や悪臭が目立ち、悪性と診断されるケースもあります。また、良性であっても粉瘤や脂肪腫などは切除術による治療が必要です。

ご自身の体に見慣れない皮膚のしこりや隆起が見られた場合は、速やかに皮膚科を受診し、適切な治療を受けることをおすすめします。