巻き爪の原因

巻き爪とは、爪の側面が周囲の皮膚に向かって曲がってしまう状態です。巻き爪の多くは、不適切な靴選びによって引き起こされます。窮屈な靴や爪先が狭い靴を履くと、爪が押されたり圧迫されたりして、巻き爪が生じる可能性がありますので注意が必要です。

また、爪を短く切りすぎると爪の側面が皮膚に食い込み、巻き爪が発生する場合があります。怪我や外傷、重い物の落下なども巻き爪の原因となります。

さらに、巻き爪は遺伝的要因も指摘されています。巻き爪になりやすい爪の形状が両親から遺伝すると、生まれつき巻き爪のリスクが高まるため、注意しなければなりません。

遺伝性でも後天性でも、足にフィットする靴を選んだり、爪をこまめに整えたりすることで巻き爪のリスクをコントロールできます。

巻き爪を放置した場合は？

巻き爪を放置するほど爪が皮膚に食い込むため痛みや不快感が強まり、歩行や運動など日常生活に支障をきたします。

また、巻き爪は爪周辺の皮膚を傷つけるため細菌が侵入しやすくなり、進行すると患部が赤く腫れたり膿が溜まったりしますので注意が必要です。巻き爪が悪化すると化膿し、細菌がさらに増殖すると水虫にも警戒しなければなりません。

巻き爪が慢性化すると爪の形状が変形し、再発のリスクが高まります。慢性化した巻き爪は爪そのものが変形し治療が困難になりますので、根治にはより複雑な手術が必要です。巻き爪に気づいたら放置せず、早期に適切な治療を受けることをおすすめします。定期的な爪のケアや適切な靴選びによって巻き爪のリスクを下げられますので、普段から気をつけましょう。

巻き爪の治療法を解説

巻き爪の治療法は、症状の程度によって異なります。軽度な巻き爪の場合、爪の切り方に注意するだけでも症状の改善が可能です。また、矯正用具を使うことで爪の成長方向が修正され、圧迫や皮膚への食い込みが軽減されます。

中程度から重度の巻き爪では外科手術が検討されます。手術の手法は、爪の一部を除去する部分的爪切除術や、爪の全部を取り除く全爪切除術などです。手術は通常、局所麻酔下で行われますので、痛みはありません。

手術後は傷口のケアや抗生剤の塗布、テーピングによる保護などが行われます。術後、数日から数週間で患部の痛みや赤み、腫れが強くなる場合はただちに手術を受けた医療機関に相談し、適切な処置を行う必要があります。少しでも違和感を覚えたら、早めに問い合わせましょう。

巻き爪の治療では何科を受診すべき？

巻き爪は皮膚科、形成外科、整形外科で治療できます。もともとは形成外科が治療の中心でしたが、最近では皮膚科や整形外科にも対応範囲が広がりました。

テーピングや矯正で治る程度の巻き爪でしたら皮膚科で治療できますが、手術が必要な場合は形成外科や整形外科の受診が必要です。巻き爪は放置するほど痛みや変色が強まりますので、軽症のうちに皮膚科を受診して適切に治療し、重症化を防ぐアプローチをおすすめします。